2019/09/17
◇◇ 令和元年度消費税改正法案の解説 ◇◇

平成28年4月に制定されました消費税法改正については、予定どおり増税が実施される見込みです。
以下にリース取引関係で発生する契約の取扱につき法解釈を交えて以下にその対応を整理いたします。


◇改正期間

  令和元年(2019年)10月1日に 8%から10%に引上げ

 
◇取引の種類による取扱の違い

(1)所有権移転ファイナンスリース

  【※1】(”資産の譲渡”課税)
    通常の資産の買取と同様、引渡しの時に資産の譲渡があったとみなされるため、引渡し時点の消費税率による全額控除申告となります。
 
(2)所有権移転外ファイナンスリース(一般的なリース契約)

  【※2】(令和元年10月1日以降の契約締結分)
    ※1に同じ。
重要性基準を採用して費用処理しているリース契約であって消費税申告を分割控除している場合も、契約期間中契約当初の税率は変わりません。

 
  【※3】(令和元年9月30日以前の契約締結分)
    ”資産の貸付”でありますが、概ね経過措置要件に適合するので改正施行日以降も旧税率8%が適用されます。

 
(3)所有権移転外ファイナンスリースおよび所有権移転ファイナンスリース以外の資産の貸付契約(オペレーティングリース、再リース、レンタルなど)

  【※4】(”資産の貸付”であるが経過措置を適用する場合)
    本来は改正施行日以降の支払については新税率に変更されるところ経過措置要件に適合するもので、指定日(2019/3/31)より前に締結した契約については改正施行日以降の支払についても新税率に変更されません(本契約種は概ね経過措置に適合します)。

 
  【※5】(”資産の貸付”であって経過措置を適用しない場合)
    上記【※4】で経過措置が適用されないものは、改正施行日以降の支払は新税率に変更されます。

 
(4)役務提供契約(保守料など)

  【※6】(”役務提供”の対価にかかる消費税)
    原則として経過措置が適用されないため、改正施行日以降の支払は新税率に変更されます(冠婚葬祭費の定額払いなど一部例外を除く)。

 
◇前払保守料などの仕入税額控除

(5)新税率となる期間に応ずる役務提供対価を前払いした場合の控除申告(経過措置が適用されない※5、※6の場合)

  【※7】(短期前払特例を適用しないもの)
    1年分あるいは複数年分にかかる対価を旧税率期間に全額前払いした場合、支払った時点の税率ではなく、当該役務の提供がなされた時期に応ずる対価についてはその時点の税率により控除申告します。
翌期以降にかかる消費税分は翌期の税率によって割り戻した額を前払消費税などで繰り延べて、翌期に仕入れ税額控除します。

 
  【※8】(短期前払い特例を適用するもの)
    1年契約の役務提供(保守料、年払再リース料など)の対価を全額旧税率期間に前払いしたような場合で、法人税法基本通達2-2-14の短期前払特例を適用した場合、支払った時点の旧税率によって求めた消費税総額を支払った年度において全額仕入れ税額控除します。

 
◇区分記載請求書等保存方式

課税事業者は仕入税額控除のため、区分記載請求書等の保存が必要となります。
(区分記載請求書等の記載事項)

1.区分記載請求書等発行者の氏名又は名称
2.課税資産の譲渡等を行った年月日
3.課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
4.税率ごとに区分して合計した課税資産の譲渡等の対価の額(税込み)
5.書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

 
以上
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