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平成28年01月13日

新基準「リース」の公表

新しい国際会計基準「リース」の公表。30年以上前に導入された会計処理の要求事項を置き換えるもので、企業がリースを会計処理する方法の大幅な改訂。本基準書により、現行のIAS第17号「リース」、IFRIC解釈指針第4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」、SIC解釈指針第15号「オペレーティング・リース-インセンティブ」及びSIC解釈指針第27号「リースの法形式を伴う取引の実質の評価」が廃止される。

従前のリースの会計モデルは、リースの借手と貸手に対して、リースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースのいずれかに分類し、それぞれ異なる方法で会計処理することを求めるものであった。当該会計モデルは、リース取引の忠実な表現を常に提供するわけではなかったため、財務諸表の利用者の要求を満たしていないとの批判を受けており、特に、借手に対して、オペレーティング・リースから生じる資産及び負債の認識を要求しなかった。
そのため、IASB及びFASBは、共同プロジェクトを開始し、借手がリースによって生じた権利及び義務を資産及び負債として認識するという、リース会計の新たなアプローチを開発した。
両審議会は、同じようにリースを定義し、借手はすべてのリース(限定的な免除あり)について資産及び負債を認識する必要があると決定した。リース負債の測定や、従前はファイナンス・リースに分類されていたリースの会計処理方法については、両審議会は類似する決定に至った。また、貸手の会計処理には実質的な変更を行わないことを決定した。
従前にオペレーティング・リースに分類されていたリースにおける、リース費用の認識及びリース関連キャッシュフローの報告については、異なる決定に至った。IASBは、借手がすべてのリースを同じ方法で会計処理する単一の会計モデルを採用する一方、FASBは、オペレーティング・リースとキャピタル・リースに区分し異なる会計処理を行う米国基準の従前の要求事項に類似する方法でリースを分類する、デュアル・モデルを採用することを決定した。

本基準の付属として、IASBは、本基準のコストと便益を説明する別個の「影響分析」も公表した。この影響分析は、本基準の必要性と、便益がコストを上回ることを明確に立証している。
IFRS第16号
管轄:国際会計基準審議会

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