平成28年11月28日
質疑応答事例「連結納税の開始に当たり、過去に特別償却の適用を受けた減価償却資産を有する場合の時価評価損益について」
【照会要旨】
当社は、当社を連結親法人とする連結納税を開始する予定である。
連結子法人となる法人が連結開始直前事業年度終了の時に有する時価評価資産の評価益又は評価損は、連結開始前子法人の連結開始直前事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入することとされているが、連結開始前子法人が、連結開始直前事業年度終了の時において、過去に特別償却の適用を受けたことのある次の減価償却資産を保有している場合にも時価評価をする必要があるか。
・取得価額1,000
・減価償却累計額400(内普通償却額100、特別償却額300)
・未償却残額600(減価償却超過額なし)
・時価900
【回答】
減価償却資産は原則として時価評価資産に該当し、その評価損益は、連結開始直前事業年度終了の時の価額(時価)とその時の帳簿価額との差額によって認識されるので、特別償却の適用を受けた減価償却資産を時価評価する場合には、その時価と特別償却適用後の帳簿価額によって時価評価損益を認識することとなる。
また、時価評価資産の対象から除かれる減価償却資産は、法人税法施行令第122条の12第1項第1号に限定列挙されているところ、過去に特別償却の適用を受けた減価償却資産は挙げられていない。
したがって、連結開始前子法人が連結開始直前事業年度終了の時に、過去に特別償却の適用を受けた減価償却資産を有する場合には、当該減価償却資産についても時価評価する必要がある。
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