平成29年11月24日
株主が個人である場合の同一の者による完全支配関係について
【照会要旨】
A社は、B社を吸収合併することを予定している。A社の発行済株式の全部は甲が保有しており、B社の発行済株式の全部は甲の妻である乙が保有している。この場合、本件合併前に、A社とB社との間には、法人税法施行令第4条の3第2項第2号に規定する同一の者による完全支配関係があると考えてよいか。
また、被合併法人B社の株主である乙に対しては合併法人株式(A社株式)以外の資産は交付されず、甲及び乙は、本件合併後にA社株式を継続保有することを予定しているが、本件合併は、適格合併に該当するか。
【回答要旨】
本件合併は、適格合併に該当する。
(理由)
本照会において、被合併法人(B社)の発行済株式の全部は乙が保有しており、合併法人(A社)の発行済株式の全部は甲が保有しているので、被合併法人(B社)と合併法人(A社)との間には、同一の者による完全支配関係がないこととなるのではないかとも考えられる。
しかし、法人との間の完全支配関係の判定に当たり、当該法人の発行済株式を保有する者が個人である場合には、個人及びその親族等が一の者とされているので、被合併法人と合併法人との間の同一の者による完全支配関係の有無についても、個人及びその親族等を同一の者として判定を行うこととなる。
本照会における合併法人(A社)については、甲及びその親族等である乙が一の者となり、被合併法人(B社)についても、乙及びその親族等である甲が一の者となるので、被合併法人(B社)と合併法人(A社)との間には、同一の者(甲及び乙)による完全支配関係があることとなる。そして、被合併法人(B社)の株主である乙に対しては合併法人株式(A社株式)以外の資産は交付されず、甲及び乙は、本件合併後にA社株式を継続保有することが見込まれているので、本件合併は、適格合併に該当することとなる。
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