令和01年09月03日
監査基準の改訂に関する意見書
中間監査基準の改訂に関する意見書
監査人による監査に関する説明及び情報提供の一層の充実を図る観点から、監査報告書における意見の根拠の記載や監査人の守秘義務に関する論点について審議を行い、公開草案を公表し、広く各界の意見を求め、寄せられた意見を参考としつつ、公開草案の内容を一部修正して意見書として公表したもの。
<監査基準の改訂に関する意見書>
1.監査報告書の意見の根拠の記載について(中間監査も同様)
財務諸表利用者の視点に立ったわかりやすく具体的な説明の記載が求められることから、監査基準上、意見の根拠の区分の記載事項として、除外した不適切な事項及び財務諸表に与えている影響とともに、これらを踏まえて除外事項に関し重要性はあるが広範性はないと判断し限定付適正意見とした理由を記載しなければならないことを明確にすることとした。
同様に、監査範囲の制約により限定付適正意見を表明する場合も、意見の根拠の区分において、実施できなかった監査手続及び当該事実が影響する事項とともに、これらを踏まえて除外事項に関し重要性はあるが広範性はないと判断し限定付適正意見とした理由を記載しなければならないことを明確にすることとした。
2.守秘義務について
本来、守秘義務の対象は、企業の秘密に限られるものであるが、我が国においては、一般的に、企業に関する未公表の情報について、あらゆるものが守秘義務の対象になり得ると考えられる傾向があると指摘されている。このため、監査基準における守秘義務の規定については、公認会計士法との整合を図るため、秘密を対象にするものであることを明確にすることとした。
<中間監査基準の改訂に関する意見書>
1.中間監査報告書の記載区分等
・監査人の意見を中間監査報告書の冒頭に記載することとし、記載順序を変更するとともに、新たに意見の根拠区分を設ける
・経営者の責任を経営者及び監査役等(監査役、監査役会、監査等委員会又は監査委員会をいう。)の責任に変更し、監査役等の財務報告に関する責任を記載する
2.継続企業の前提に関する事項
継続企業の前提に関する評価と開示に関する経営者及び監査人の対応についてより明確にするため、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合に監査人が中間監査報告書に記載する要件は変更することなく、独立した区分を設けて継続企業の前提に関する事項を記載することとした。あわせて、経営者は継続企業の前提に関する評価及び開示を行う責任を有し、監査人はそれらの検討を行う責任を有することを、経営者の責任、監査人の責任に関する記載内容にそれぞれ追加することとした。
[関連記事]