令和02年11月25日
質疑応答事例(被合併法人が債務超過の場合の無対価合併における資産調整勘定の金額及び差額負債調整勘定の金額)
【照会要旨】
A社はB社を被合併法人とする吸収合併を行うことを予定している。なお、A社及びB社の発行済株式の全部はいずれもP社に保有されている。この吸収合併は、100%グループ内での合併であり、また、B社は、資産評定後の資産の取得価額の合計額が負債の額の合計額に満たない、いわゆる債務超過の法人であることから、B社の株主であるP社に対してA社株式その他の資産を何ら交付しない無対価合併とすることを予定している。
本件合併後、P社は保有するA社株式の全部をX社に譲渡することを予定しているため、本件合併が適格合併に該当するためには、法人税法第2条第12号の8ハに規定する共同で事業を行うための合併の要件に該当する必要があるが、本件合併は当該要件に該当しないことから、非適格合併に該当する。
この場合に、本件合併において、資産調整勘定の金額及び差額負債調整勘定の金額はどのように算定することとなるか。
【回答要旨】
資産調整勘定の金額及び差額負債調整勘定の金額はないものとされる。
(理由)
本件合併は、非適格の無対価合併に該当するが、本件合併によりA社がB社から移転を受けた資産の取得価額の合計額が移転を受けた負債の額の合計額に満たないことから、資産調整勘定の金額及び差額負債調整勘定の金額は、ないものとされる。また、本件合併は、被合併法人であるB社と合併法人であるA社の株主構成が等しい関係(P社がA社及びB社の株式の全部を保有)がある非適格の無対価合併に該当するが、本件合併により移転を受けた資産の価額から移転を受けた負債の価額を控除した金額はゼロとなることから、本件合併により増加する資本金等の額はゼロとなる。
なお、その満たない部分の金額は寄附金の額その他その満たない部分の金額の性質に応じた処理となる。
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