平成14年02月15日
「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」(企業再編税制)
1.名義株がある場合の適格合併等の判定(基通1-4-3新設)
適格組織再編成の要件を判定する場合において、株式を保有する関係があるかどうかは、原則として株主名簿又は社員名簿に記載されている株主等により判定するが、その株主等が単なる名義人であって当該株主等以外の者が実際の権利者である場合には、その実際の権利者が保有するものとして判定する。
2.従業者の範囲(基通1-4-4新設)
適格組織再編成の要件の一つとして、分割法人等の分割等の直前の分割事業等に係る従業者の80%以上に相当する者が分割等の後に分割承継法人等の業務に従事すること(従業者の80%以上の引継ぎ)が見込まれること、が規定されている。この場合の「従業者」とは、役員、使用人その他の者で分割等の直前においてその分割事業等に現に従事している者をいう。ただし、法人が日雇で日ごとに給与等の支払を受ける者を従業者の数に含めないこととしている場合には、これが認められる。
なお、分割事業等とその他の事業とのいずれにも従事している者については、主として当該分割事業等に従事しているかどうかにより判定する。
3.資産等の移転が設立の時から6月以内に行われなかったことについてのやむを得ない事情(基通1-4-13新設)
適格事後設立では、事後設立に係る資産等の移転が新設法人の設立の時から6月以内に行われることが要件とされているが、やむを得ない事情がある場合にはそのやむを得ない事情がなくなった日までに当該資産等の移転が行われることが要件とされている。この場合の「やむを得ない事情」とは、例えば、資産等の移転又はその移転により行うこととなる営業につき行政庁の許認可等を必要とする場合において、当該許認可等の審査及び処理に要する期間が6月を超えることとなったことをいう。
4.利益準備金の資本組入れがあった場合の資本積立金額の減算(基通1-5-3新設)
組織再編税制の導入に伴い、利益準備金の資本組入れなどの金銭その他の資産の交付がない場合のみなし配当課税の廃止、資本積立金額及び利益積立金額の定義規定の整備等の改正が行われた。
これにより、法人が利益準備金の資本組入れを行った場合には、税務上は、利益積立金額を減算することなく資本積立金額を減算すること(マイナスとなる場合はマイナス)となる。
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