平成16年02月17日
その他有価証券の評価差額及び固定資産の減損損失に係る税効果会計の適用における監査上の取扱い
減損会計の適用に伴い、減損損失を計上することにより発生する将来減算一時差異に係る繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱いについて検討を行った結果を受けたもの。取りまとめられた留意点については監査委員会報告第70号に追加され、その題名を「その他有価証券の評価差額及び固定資産の減損損失に係る税効果会計の適用における監査上の取扱い」に変え、その他有価証券の評価差額に関する事項については「Iその他有価証券の評価差額」の項目を、固定資産の減損損失に関する事項については「II固定資産の減損損失」の項目を設け、それぞれ取扱いが示されている。
<主な内容>
固定資産の減損損失に係る将来減算一時差異についての繰延税金資産の回収可能性は、監査委員会報告第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」によって判断することになるため、当該将来一時差異の解消時期について、スケジューリング可能な一時差異であるか、スケジューリング不能な一時差異であるかの判定を行わなければならない。スケジューリング不能な一時差異と判定されたものについては、報告第66号の5.(1)1.(分類1)の会社等の場合を除き、回収可能性はないものと判断することになる。
1.償却資産
償却資産に係る将来減算一時差異は、通常、減価償却計算を通して解消されることから、スケジューリング可能な一時差異と考えられる。減損損失に係る将来減算一時差異については、報告第66号の5「(2)将来解消見込年度が長期にわたる将来減算一時差異の取扱い」にいう建物の減価償却超過額に係る将来減算一時差異と同様な取扱いを適用しないものとする。
2.非償却資産
非償却資産に係る将来減算一時差異のスケジューリングは、売却処分等の予定がある場合にはそれによることになるが、例えば、工場用地として現に使用中であるような場合には、通常、スケジューリングが困難な場合が多い。従って、スケジューリング不能な一時差異と判定される可能性が高いので留意する。
監査委員会報告第70号
管轄:日本公認会計士協会監査委員会
[関連記事]