平成21年09月08日
引当金に関する論点の整理
引当金の会計処理について、定義と範囲、認識要件、測定、開示を含む論点について検討を行い広く一般から意見を求めることを目的として公表したもの。平成21年11月9日(月)まで意見募集。
【論点1】定義と範囲
・会計基準の適用範囲を定めるにあたっては、いわゆる評価性引当金の取扱いが問題となるが、貸倒引当金が金融商品会計基準で取り扱われていることなどから、負債性引当金のみを検討対象とし、負債に該当するかどうかに着目して対象を決定することが考えられる。
・他の会計基準ですでに会計処理が定められている退職給付引当金、工事損失引当金、資産除去債務については、会計基準の適用範囲から除外する。製品保証引当金など収益認識プロジェクトに関連する項目を引当金に関する会計基準の対象とするかどうかについては、収益認識プロジェクトにおける検討状況および進捗状況等を勘案して判断する。
【論点2】認識要件
・IAS第37号およびIAS第37号改訂案と同様の負債の定義を用いる場合には、修繕引当金のような、将来において自らの行動により回避することが可能なものは、負債に該当しないこととなると考えられる。これまでの実務慣行や国際的な会計基準の動向等を踏まえて、「将来の特定の費用又は損失」という注解18の認識要件について、見直しの要否を検討する必要がある。
【論点3】測定
・わが国の会計基準では、引当金の測定に関する基本的な考え方は明示されていないが、国際的な会計基準では、期末日時点で決済または第三者の移転のために合理的に支払う金額という考え方が検討されている。この点に関して、将来において負債を決済するために必要となると見積もられる金額を基礎とするという考え方との優劣や、論点3-3との関連にも留意しながら、引き続き検討する。
【論点4】開示
・国際的な会計基準では、引当金および偶発負債に関して幅広い開示が要求されている。不確実性に関する情報の開示がどのようになされるべきかなど、開示の拡充について検討することが考えられる。
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