平成21年12月25日
包括利益の表示に関する会計基準(案)
財務諸表における包括利益及びその他の包括利益の表示について定めることを目的とする会計基準案の公表。「包括利益」とは、ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分をいう。当該企業の純資産に対する持分所有者には、当該企業の株主のほか当該企業の発行する新株予約権の所有者が含まれ、連結財務諸表においては、当該企業の子会社の少数株主も含まれる。
平成22年2月1日(月)まで意見募集。
<包括利益の計算>
包括利益の計算は次による。
(1)個別財務諸表においては、当期純利益にその他の包括利益の内訳項目を加減して包括利益を計算する。
(2)連結財務諸表においては、少数株主損益調整前当期純利益にその他の包括利益の内訳項目を加減して包括利益を計算する。
<その他の包括利益の内訳の開示>
その他の包括利益の内訳項目は、その内容に基づいて、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定等に区分して表示する。持分法を適用する被投資会社のその他の包括利益に対する投資会社の持分相当額は、一括して区分表示する。
その他の包括利益の内訳項目は、原則として税効果を控除した後の金額で表示し、各内訳項目別の税効果の金額を注記する。当期純利益を構成する項目のうち、当期又は過去の期間にその他の包括利益に含まれていた部分については、その他の包括利益の調整(組替調整)が行われるが、当該組替調整額は、その他の包括利益の内訳項目ごとに注記する。
その他の包括利益の内訳に関する注記は、個別財務諸表(連結財務諸表を作成する場合に限る。)及び四半期財務諸表においては、省略することができる。
<包括利益を表示する計算書>
包括利益を表示する計算書は、次のいずれかの形式による。
(1)当期純利益を計算する損益計算書と、第6項に従って包括利益を計算する包括利益計算書とで表示する形式(2計算書方式)
(2)当期純利益の計算と、第6項に従った包括利益の計算を1つの計算書(「損益及び包括利益計算書」)で表示する形式(1計算書方式)
企業会計基準公開草案第35号
管轄:企業会計基準委員会
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