平成22年07月09日
公正価値測定及びその開示に関する会計基準(案)
公正価値測定及びその開示に関する会計基準の適用指針(案)
公正価値の考え方及び財務諸表の注記事項としての公正価値に関する開示について、その内容を定めることを目的とする会計基準の公開草案の公表。平成22年9月10日(金)まで意見募集。
<定義>
「公正価値」とは、測定日において市場参加者間で秩序ある取引が行われた場合に、資産の売却によって受け取るであろう価格又は負債の移転のために支払うであろう価格(出口価格)をいう。
・公正価値を算定するにあたっては、市場参加者が資産又は負債を価格設定する際に用いるであろう仮定を用いる。固有の要素を考慮する場合は、当該要素を考慮する。
・資産売却又は負債移転取引は、企業が利用できる主要な市場で行われると仮定する。
<算定方法>
公正価値を算定するにあたっては、状況に応じた、十分なデータが入手できる適切な評価技法を併用又は選択して用いる。評価技法に用いられる入力数値は、観察可能な数値を最大限利用する。また、3つのレベルに分類の上、レベル1からレベル3の順に優先順位付けを行う。
・入力数値を用いて算定された公正価値は、重要な影響を与える入力数値が属するレベルに応じて、3つのレベルに分類する。なお、評価技法に複数のレベルの入力数値が用いられた場合は、その算定に重要な影響を与える入力数値が属する最も低いレベルに分類する。
・資産又は負債の取引の数量及び頻度が著しく低下していると判断された場合の取引価格は、そのまま公正価値として用いることができない場合があり、さらなる分析の上、重要な調整が必要となることがある。
・ブローカーや情報ベンダーなどから提供された価格を用いることができるが、それがどのように算定されたのかを理解し、公正価値の定義を満たしているか否かを評価する必要がある。
<注記事項>
(1)公正価値を毎期継続して貸借対照表価額としている資産及び負債
・公正価値の算定方法等に係る事項
・公正価値のレベル別の内訳
・レベル3の公正価値に係る事項
(2)公正価値を毎期継続して注記している資産及び負債
・レベル別の公正価値の測定額を注記する。
<影響を受ける主な会計処理等>
・金融商品に関する会計基準:金融商品に関する会計処理、開示
・賃貸不動産の時価等の開示に関する会計基準:賃貸等不動産の開示
・棚卸資産の評価に関する会計基準:トレーディング目的で保有する棚卸資産の評価
・固定資産の減損に係る会計基準:正味売却価額(時価から処分費用見込額を控除したもの)
・企業結合に関する会計基準:時価を基礎とした取得原価の配分
・退職給付に関する会計基準:年金資産の時価(公正な評価額)
企業会計基準公開草案第43号
企業会計基準適用指針公開草案第38号
管轄:企業会計基準委員会
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