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平成23年01月31日

IASB意見募集「発効日と移行方法」に対する意見

国際会計基準審議会(IASB)より公表された意見募集「発効日と移行方法」に対する日本公認会計士協会のコメント。
<全般的なコメント>
対象になっている公開草案が、2011年6月ないし2011年末までに最終基準化されていることを前提として、それらの基準の単一日での一括した適用を支持する。また、日本においてそれらの新しいIFRSを適用することとなるほとんどの企業がIFRS初度適用企業となることから、それら企業の円滑な移行を促す観点からも、IFRS初度適用企業に対しては単一日(IFRS初度報告日)での一括した早期適用を認めることが適切であると考える。
<各質問に対するコメント>
・第18項に掲げられたいずれのプロジェクトも財務諸表に与える影響が大きく、一定規模以上の多くの企業にとってはシステム対応と従業員の訓練が不可欠であるため、多くの時間を要することは明らかである。また、監査基準の変更の必要性を生じる可能性はあり、日本では、財務報告と関連する規制として、会社法や税法、さらには業種別の規制要求にも当然に影響し、その変更の必要性を生じさせる可能性がある。
・各プロジェクトについて提案されている移行方法のうち、「顧客との契約から生じる収益」については提案に同意するが、費用対効果の合わない開示が要求されないことやシステム対応を含め十分な準備時間が確保されること等を条件とする。「退職後給付」、「公正価値測定」、「保険契約」、「リース」については同意しない。「公正価値測定」が遡及適用されないのであれば、遡及適用される「金融商品」における公正価値測定が実務上どのように行われるかの問題がある。また、「リース」については、提案されているアプローチのみでは損益を歪める結果を生むおそれがあり、完全に遡及するアプローチも許容すべきである。
・全体的な導入計画については、単一日アプローチが望ましいと考える。仮に段階的に適用するのであれば、相互に整合しない基準の適用により、利益操作の余地や理解不能な会計上の結果が生まれることを強く懸念する。
・2015年1月1日以降開始年度を強制発効日とすることが適当であると考える。
管轄:日本公認会計士協会

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