平成23年02月23日
「会社計算規則の一部を改正する省令案」に対する意見
平成23年1月25日に法務省から公表された「会社計算規則の一部を改正する省令案」に対する日本公認会計士協会の意見。
<監査上の懸念について>
(コメント)
第126条3項及び第133条3項は削除すべきである。
(理由)
1.会社計算規則第126条3項では、当該事業年度に係る計算書類の監査をする際、当該計算書類が修正後の過年度事項を前提として作成されているときは、当該修正に係る事項を監査しなければならないと規定している。一方、本省令改正案第96条7項1号によれば、遡及適用又は誤謬の訂正をした場合、当期首残高及びこれに対する影響額を株主資本等変動計算書で明らかにしなければならず、当該影響額は、当年度の計算書類として、当然監査対象になると理解している。したがって、第126条3項を規定する意義は乏しく、無用な誤解を生じさせる恐れがあることから、削除すべきである。
2.会社計算規則第133条3項では、提供計算書類を提供する際には、当該事業年度より前の事業年度に係る計算書類(過年度事項)を併せて提供することができるとしている。例えば、当該事業年度の情報と並べて過年度事項を提供する場合においては、過年度事項の任意掲載は監査対象外であるにもかかわらず、過年度事項も監査対象であるとの誤解を生じさせるおそれがある。したがって、第133条3項は削除すべきである。
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