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平成23年05月09日

「中間監査基準及び四半期レビュー基準の改訂について(公開草案)」に対する意見

金融庁より公表された「中間監査基準及び四半期レビュー基準の改訂について」(公開草案)に対する日本公認会計士協会としての意見。
Ⅰ中間監査基準の改訂案
1.「監査人の責任」の表現について
監査基準では、「監査の結果として入手した監査証拠が意見表明の基礎を与える十分かつ適切なものであること」とされているが、中間監査基準改訂案では、「中間監査の結果として中間財務諸表に対する意見表明のための基礎を得たこと」と表現されており、実質的な意味合いは変わらないものの、表現上、不整合が生じている。今般の改訂の趣旨は、昨年改訂された監査基準との整合性を図ることにあると理解しており、表現の整合性を図る方が望ましいと考える。
Ⅱ四半期レビュー基準の改訂案
2.四半期レビュー手続の選択及び適用について
「四半期レビューは質問、分析的手続その他の四半期レビュー手続からなり、それらの手続の選択及び適用は監査人の判断によるが、年度の財務諸表の監査に比して限定的な手続となること」との表現があるが、以下の理由から、当該下線部分は削除すべきである。
(1)四半期レビューは年度の財務諸表の監査に比して限定的な手続からなるが、「選択」という表現は多数の手続の中から手続を選択しているように読める。
(2)本規定は、保証水準そのものを取り上げた規定でないことは理解しているが、四半期レビューは質問及び分析的手続等を基本としており、当該文言が追加された場合、あたかも追加手続の実施が常に要求されているかのような誤解を与えかねず、ひいては保証水準が上がったものと誤認されるおそれがある。
(3)最近の国際監査・保証基準審議会の議論においても、レビュー業務における保証水準は、監査と異なり、実施する手続の種類から説明するアプローチが適切であるという考えが示されているところである。四半期レビュー基準は、我が国特有の規定もあるが、基本的には国際的なレビュー基準の整合性を図っていると認識している。したがって、国際的なレビュー基準及び四半期レビュー報告書の記載と我が国の四半期レビュー基準及び四半期レビュー報告書の記載に差異を生じさせる積極的な理由はないと考える。
(4)四半期レビューは、公認会計士又は監査法人が四半期財務諸表に対して行う公認会計士法上の監査証明であるということは理解しているが、年度の財務諸表監査と四半期レビューの手続は異なるため、監査報告書に記載する手続に関する文言と同様の文言を四半期レビュー報告書に記載することは、新たな期待のギャップを生じさせるのではないかと考える。
管轄:日本公認会計士協会

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