平成24年02月14日
「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」の改正
<主な内容>
1.法人税法上の減価償却計算に係る規定は、各事業年度の課税所得の計算上、損金算入限度額の計算を目的とし、会計処理上は強制適用されるものでないため、従来の減価償却方法を引き続き採用することも容認される。従って、会計上の減価償却方法については、平成19年度税制改正前の旧定額法又は旧定率法、平成19年度税制改正後の定額法又は定率法(250%定率法)、平成23年度税制改正後の定率法(200%定率法)の5とおりの選択肢がある。
2.新規取得資産についての取扱い
(1)法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更
平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産がある場合に旧定率法を採用し、かつ平成19年4月1日以後取得した減価償却資産がある場合に250%定率法を採用していたときに、新規取得資産について200%定率法を採用する場合は、同一種類で同一用途の資産について、類似の減価償却方法を採用するものと認められるため、法令等の改正に伴う変更に準じた正当な理由による会計方針の変更として取り扱う。
このため、例えば、平成19年度税制改正時に、平成19年3月31日以前に取得した資産について250%定率法を適用している場合に、新規取得資産について200%定率法を採用することは、法令等の改正に伴う変更に準じた正当な理由による会計方針の変更とならないことに留意する。
(2)法令等の改正に伴う変更(準じたものを含む。)以外の会計方針の変更
法令等の改正に伴う変更に準じた正当な理由による会計方針の変更に該当する場合を除いて、減価償却方法を変更するときは、自発的に会計方針の変更を行うものとして取り扱う。正当な理由によるものかどうかについては、実務指針に従って判断する必要があり、単に法人税法の改正を理由とするだけでは正当な理由に該当しないので、変更理由の合理性(変更の適時性等)に留意する必要がある。
3.既存資産についての取扱い
250%定率法から200%定率法への既存資産の減価償却方法の変更は、企業の選択により決定できることから、会計上、法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更とは認められず、自発的に会計方針の変更を行うものとして取り扱う。このため、会計方針の変更に係る変更理由の合理性(変更の適時性等)に留意し、単に法人税法の改正を理由とするだけでは正当な理由に該当しないことに留意する必要がある。
監査・保証実務委員会実務指針第81号
管轄:日本公認会計士協会監査・保証実務委員会
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